猫の君に、癒されています

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「ふにゃん」 君は今日も、鳴きながら私を見つめる。 名前を呼ぶと、それが自分だとわかっているのか、返事をする。じっと見つめてくる。 君の瞳に映る私は、今日もだらしない顔をしていた。 朝、ご飯をくれとばかりに私を起こしに来る君は、優しい。 爪を出さずに、そっと顔に触れてくる。 ちょん、ちょん、ちょん。 私の顔は緩む。 ちょん、ちょん、ざり。 今度は舐めてくる。 ちょん、ざり、がぶ。 「痛い!」 今度は噛んできた。甘噛みなのでそれほどでもないが、痛いものは痛い。 「なあーお」 いい加減起きろとでも言うかのように鳴く。 はいはいと返事をすると、喉を鳴らす。 ご飯?と聞くと、 「ごあん!」 と言っているように聞こえるのだから、可愛がりにも程があると思う。 ご飯を食べたあとは、必ず報告をしに来る。どこかしらを撫でるまで、鳴き続ける。 変な子だ。 君はまた鳴いていた。 今度はおもちゃを持って来た。 無言ですり寄る。 これで遊べと言っている。 投げると持って来る。しかし持って来ない時もある。気まぐれだ。 勢いよく走って飛んで取りに行く時もあれば、すぐに横になり手だけを伸ばして遊ぶ時もある。その時の君は寝ているだけで、疲れるのは私のほうだ。 まあ許そう。もふもふのお腹を撫でさせてくれるのだから。 「お休み」 私が布団に入っても君はやって来ない。私がすぐに眠らないのをわかっているからだ。 電気を消して、動かないでいると、君はゆっくりやって来る。 「にゃん」 耳元で鳴いて、布団を掘り始める。 「ほらおいで」 そう言って布団をめくると、1度私を見てから、喉を鳴らしつつ潜る。 居心地の良い場所を探して、落ち着いたのか毛繕いをする。その時に触れる肉球が冷たい。だがそれもだんだん暖かくなり、熱いと感じる。猫の体温は暖かい。すぐに温もりを感じて、また、私の顔は緩むのだ。 こうして君との1日が終わり、また始まるわけだが、君も、幸せとまでは言わなくていいから、こいつとなら一緒にいてもいいか、くらいには思ってくれていたなら、私は嬉しい。 「なおん」 そして今日も、君は私を癒してくれるらしい。 君がいる世界は、こんなにも幸せで溢れているよ。
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