2、山田水無瀬の事件簿

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2、山田水無瀬の事件簿

 皆さん。早速ですが事件です。  っと、しまった。申し遅れました。  山田(やまだ)水無瀬(みなせ)と申します。  私、建前とか謙遜が嫌いな性格ですので、率直に言っちゃいます。  美少女です。  食いしん坊です。  頭脳明晰です。  そして腐女子です。  で、まあ、ついでに霊子力学を学ぶ大学2年生です。  よろしくお願いしますッ。  さて、自己紹介も終わったところで、とても困ったチャンです。間違った。とても困ったことになったのです。  四月。  新学期もまだ始まらない春先のある日のこと。  私は研究室の談話室にて、それは大変な事件に巻き込まれてしまっていたのでした。  え?進級が危ういのかって?  それは大丈夫。  進級が危ういのは下僕以上友達未満の同級生、左藤(さとう)(ある)という男の子の方で、私は何の問題もなく、それは優秀な成績にて進級を決めています。 「どうも~~。っと、水無瀬、何やってるんだよ?」  噂をすれば影。  今、談話室に入って来たのがその左藤君です。  とりあえず、虫けらを見るような視線を送って見ましょう。 「……食べ過ぎて、お腹痛いのか?」 「ぷぎゅッ」と、悲鳴。     
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