2、山田水無瀬の事件簿

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準教授の肩書でも解るように、鴉谷教授に次いで、この研究室のナンバー2。  魔術や呪祖を霊子力学的に解明し、また逆に霊子力学を魔術的に応用することを研究している凄い人なのです。  身長は140センチメートル。体型は小学生。年齢不詳。  人は尊敬と畏怖の念を込めて、彼女のことをこう呼びます。  ……魔法少女・湶ちゃん、と……。  ちなみに湶ちゃんは学会に出るため、現在、北海道に出張中なのでした。 「そうなんです。教授達は忙しいみたいで。……まぁ、それでも博士課程の先輩方が居ればまだ、相談には乗れたんですが、今は春休み期間中で、博士課程の方々も休みに入ってますしね」  左藤君も困り顔でした。 「そっか。……早めに対応したかったんだけどな……」  漣也さんは両手で顔を覆って、塞ぎこんでしまいました。 「あ、忘れてたッ。助手さんなら居ると思いますよ」  ふと、左藤君が閃きます。 「助手? その人も霊子力学の凄い研究者なのかい?」 「ええ。忍山(しのぶやま)(しのぶ)さんといって、素晴らしい研究者ですよ。彼の妖怪と怪異の研究論文は学会でも高く評価されてます」 「それは俺の相談にピッタリかもしれない。その人はどこにいるんだい?」 「多分、隣の資料室に居るんじゃないかと……」     
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