18人が本棚に入れています
本棚に追加
2
「最高だ……」
画面に食い入った。
興味を抱いたのは、思春期の頃だ。
交友関係、一人での時間の過ごし方、人の生活空間が兎角気になった。
メールや電話で報告しあったところで、真偽は問えない。
根掘り葉掘り探ると、怖いと距離を置かれた。
俺の好奇心を知ってか知らずか、高校の先輩が数枚のDVDを貸してくれた。
所謂、セクシー系からキュート系女優が詰められた悦楽のDVDだ。心に矢を放つ作品は、一枚だけ混入していた。
『覗いたさきは、あなただけのもの』
タイトルだけで胸が躍った。
閉鎖的な場所で繰り広げられる男女模様。興奮は抑えきれず、ダビングしてまで視聴した。
この頃からだろう。覗きというものに対して、興奮していると認識したのは。
夢のようだ。
絶対に叶わないと思っていた願望と欲望にまみれた世界が、眼前いっぱいに広がっている。
ブログをこそこそ覗き見していたのとは雲泥の差、月とスッポンほどにレベルが違う。
例えるなら、そうだ。
女子更衣室のロッカーで声を殺して忍び込み、誰にも気づかれず潜伏している状態だ。
最初のコメントを投稿しよう!