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お母さんが一生懸命部屋に掃除機をかけている。いつもはボーナスで買ったお掃除ロボットで済ませているのに、どうやら彼の仕事ぶりでは不安があるらしい。
「ちょっと、今からお茶なんか飲まないでよ」
私が一分の隙もなく綺麗に陳列している食器棚からコップを取り出すと、お母さんが目ざとく見つけて小言を言う。
「ちゃんと自分で片付けるってば」
私は冷蔵庫からペットボトルを取り出し、アイスコーヒーを注いで口を付ける。お茶にしなかったのはささやかな反抗だ。
中のコーヒーがコップの半分に差し掛かった頃、インターホンの音がする。
「うわ……」
私の呻き声を聞き付けた母がキッと私を睨みつけた。後で説教コース決定。
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