十二章

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夏基は、私の部屋の本棚を見て感嘆の声をあげる。 「難しそうな本がそろっているなー」 私はお父さんが関わった本以外で気に入った本があれば、時々自分で買っている。辰巳(たつみ)社長も言っていたけど、香椎出版の作品は良作が多い。 今日から、その本と一緒にドラグーン社の本が並ぶ。 「嬉しそうだなー」 夏基がからかうように笑った。 「嬉しいに決まってるじゃない。自分の好きな本が好きなように置けるなんて」 この本棚に何を置いてもいいんだ。欲しい本はたくさんある。最近は置きたい本をリストアップして、一人でほくそ笑んでいるくらいだ。 「そーだな」 夏基が本棚に本を並べるのを手伝う。
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