第二十八話  大望

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三郎は続けた。 その目はうるんでいた。 「おかあに毎日、白い米を食わせる。よい衣を着せる。頭が痛いときは、働かぬでも良いように使用人を雇う。ミコに立派な嫁入り道具を持たせる……そして、わしは……わしは、この地の棟梁(とうりょう)となる!」 イダテンには思いもつかない望みだった。
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