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「あなたは~、だんだん~、ねむくなる~」
「ならんがな」
「あれ、おかしいな……そんなはずは」
うーむと唸る女を見つつ、男はフッとため息をついた。
彼はつかつかと歩いて、女の持っている糸で括られた五円玉をちょいと取ると、女の目の前に五円玉を吊るした。
「あなたは~、だんだん~、ねむくなる~」
「……ぐぅ」
「容易なことよ」
――――
――
「……ハッ!?」
「おや、起きたようだね。よく眠れた?」
「……眠れた」
どうやら最初の時点で男は眠っていたようで、女は得意げに五円玉をポケットにしまってニヒヒと笑ったのだった。
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