そこを退いてくださる?

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「あ~…どっか静かな所にでも行ってゆっくりしたいな~…」 連勤が続いて疲れていたから、無意識にそんな事をボヤきながら、峠道をしばらく道なりに社用車を走らせていると、かなり年季が入っていそうな古ぼけた外観のトンネルに入った 「あれ?こんな所にトンネルなんかあったかな?道は間違えてないはずだけど…間違えててもここでUターンは出来ないし…とりあえずここを抜けてからスマホで確認するか…」 電球は一昔前のオレンジ色の光で、全体が薄暗く、出口が見えないくらい長いトンネルを進んでいくうちに、連勤が続いた疲れからか徐々に眠気に襲われる 「くそっ…ヤバイ…ちょっと眠くなってき…た………」 シートベルトでシートに張り付けられているはずの身体はゆっくり前後に揺れはじめ、危ないとわかっていても、自分の意思とは裏腹に徐々に瞼は重くなり、ついには意識を手放してしまった
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