雨上がりの新宿。

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ごくごく。喉に水が沁みるように。 極々、私的な思いが巡っていく。 いとしき空間よ。私の中の遠い記憶。 同じ地点なのに、もう存在しない透明な箱。 もう一人だけ、わかる人がこの世にいる。 君は此処を通りかかったら、思い出したりするのだろうか。 この景色を見ながら、よく電話をかけたね。 私はいつだって、胸を躍らせてエレベーターを降りる。 何度繰り返しても どうして君に会うのに、こんなにもどきどきするんだろう。 待ち合わせたロイホが、今も確かに消えずにあって。 外を眺めて静かに待つ君を、硝子越しに見つける。ことはもうない。 image=510296834.jpg
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