「ね夢り様」を起こしちゃなんねぇ

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 気がつくと、多郎は草の上に横たわっていた。  黒い濁流が嘘だったかのように、辺りは静まりかえっている。  先ほどと変わらない風景。空は青く、草木は一本たりとも倒れてなどいなかった。  鬼の姿は、ない。  ゆっくりと起きあがると、多郎は村のほうに向けて歩きはじめた。
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