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祐也が、理子のノートを盗み見た日の晩。
飛行機から見下ろす東京は、夜十時だというのに、もはや人工的に昼間にしようとしているのかと思えるほどに、どこもかしこもライトアップされている。
とある二十階建てのマンションも、ロビー含めて全体が明るかった。
『芳伊沢』というプレートのある部屋。
祐也はバスルームで、二メートルの高さに固定したシャワーから流れるお湯を、頭から掛け続けていた。
一人無言で、ユリエの父・秀吉とのやりとりを思い出していた。
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