近衛隊長の処女懐胎

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乳首を咥えたまま寝てしまったレオを寝台に寝かせている間に、気を利かせたギルベルトが侍女に言ってお茶の用意をしてくれた。 はちみつを入れたこの甘い薬草茶は、乳の出を良くしてくれるそうだ。香りも良くて、一服するにはちょうどいい。 「ありがとうございます、陛下」 「なに、私にはこれくらいしかできないからな」 同じお茶を飲みながら、ギルベルトは柔らかく微笑んでいる。 今はこうして二人でゆっくりお茶を飲むゆとりがあるが、ほんの数ヶ月前はこうではなかった。 産後は精神が不安定になるというが、バシリーも夜中に突然涙が止まらなくなったり、今までの自分と現在の自分の落差に耐えられなくなり、立ち上がれないほど打ちのめされる時があった。 そして、そんな弱った姿をギルベルトに見られる事が、なによりも辛かった。 だが、結局は……一番支えになってくれたのも、ギルベルトなのだ。 「……そろそろ、いいのではないですか?」 「なにがだ?バシリー」 「とぼけなくても結構です。ギルベルト様。夜伽の事ですよ」 そう切り出すと、ギルベルトは目を丸くした。 そして、真っ赤になって俯いてしまう。 バシリーの事を熱のこもった目で見ているのは、はじめから気づいていた。 授乳に立ち会った後、ふらりと姿を消してしょぼくれて帰ってきた事も何度もある。こっそり自分で抜いてきたのだろう。     
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