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もうずっと同じ部屋で寝起きしているのだ。夜伽ぐらい、今更だ。
「ば、バシリー……私は確かに……バシリーによからぬ……だが、夜伽など」
「初めからそのつもりだったでしょう。何を今更」
「違う、そうではない」
そう言うと、ギルベルトはまっすぐにバシリーの目を見つめてきた。
そして、すっかり柔らかくなってしまったバシリーの手を、そっと握ってくる。
暖かい手が、慈しむように手の甲を撫でた。
「バシリー。告白しよう……私は、幼い頃からバシリーが好きだった」
真剣に囁かれた言葉に、脳髄を叩き割られたような衝撃を受けた。
幼い頃から。あのあどけない少年の頃から、ギルベルトが自分に恋をしていた。
全く気が付いていなかった自分が腹立たしくもあるし、主人が自分のせいで道を踏み外したのかと思うと頭痛のあまり目眩すらした。
「だから、私は、ずっと父上にお願いしていたのだ。我が弟を宿すのは絶対バシリーにしてくれと」
さらに、続けられた言葉に、バシリーは石のように固まってしまった。
父上にお願いした?
「私は、バシリーに、私の弟の母になって欲しかったのだ。どうしても……」
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