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――――唐突だが、俺は平穏に暮らしたいと常々思っている。
何事もなく、平凡で平和な日々。
穏やかな日々を送る。
そんな些細なことを、俺は望んでいるのだ。
望んでいる……。望んでいるのだが…現実は非常である。
大抵の願いは叶わずぶち壊される。
現に俺は―――
「おら!カバンに金詰めろ!死にてぇのか!あと逃走車の手配だ!サツに連絡したヤツは殺す!人質も殺す!わかったらさっさとしやがれ!」
「…………めんどくせぇ…」
―――銀行強盗の人質になっている。
屈強な男の左腕を首に回され、右腕のマシンガンで脅されている。
これぞ人質!
って感じの人質だ。
100人に聞けば100人が人質と答えるだろう。
何度でも言うが、俺は平穏に暮らしたいのだ。
こんな平穏とは程遠い出来事に巻き込まれたくないのである。
銀行強盗するなら、俺のいない所でやってくれとさえ思う。
さて、俺がなぜこんなことに巻き込まれているのか、それを回想してみようか。
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