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パチリと目を開く。
まだ、ボーッとする頭で天井を眺める。
「………知らない天井だ…」
目を開き、眺めた天井は見知らぬ天井だった。
嘘である。
紛うことなき、我が家の寝室の見慣れた天井である。
1度言ってみたかったんだぁ…。
「………虚しい…果てしなく虚しい…俺はなにやってんだか…はぁ…」
ごろりと横を向き、携帯に手を伸ばし時間を確認する。
携帯の時間は15時半ごろを表示していた。
「げっ!もうこんな時間じゃねぇか!用意して銀行行って、開店の準備しねぇと!」
ガバッと勢いよく起き上がり、出かける準備を始める。
ものの10分もすれば、出かける準備は完了した。
玄関へ向かい靴を履く。
玄関に止めてあるロードバイクを持ち上げる。
ヘルメットを持ち、扉を開けて外へ出ると、ロードバイクを担いだまま階段を降りる。
コツコツとクリートとコンクリートが歩くたびぶつかり、子気味のいい音を立てる。
1階に着くと、担いでいたロードバイクを下ろし跨り、ヘルメットをかぶる。
カチッと音を立て、片足のクリートとペダルを接続する。
「っし!行くか~!」
接続されていない方の足で軽く地面を蹴り、漕ぎ始めると同時にクリートとペダルを接続し、走り始める。
徐々にスピードをあげる。景色が後ろに飛んでいく。
「あー、風が気持ちいいー」
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