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しばらく走ると、信号が赤になり立ち止まる。
ブレーキをかけ、クリートを外して地に足をつける。
信号待ちをしていると、ズボンのポケットに入れていたスマホが震える。
スマホを取り出し、通知を確認する。
どうやらメッセージが届いたらしい。内容を見るため操作する。
「えーっと、なになに…お、八月一日さんだ」
『あんどーさーん、今日は何時オープンですかーーー!』
「いつにも増してテンション高いな…これは……フラれたか…!」
飛んできた疑問に返信をする。
「いつも…通り…20時オープン…です…っと!」トトトッ
スマホをポケットに直そうとすると、またも通知を知らせる。
直す前に内容を確認する。
「返信早すぎかよ…」
『じゃあ!20時に!行くからね!ね!開けといてよ!!!!』
「………うわぁ…これめんどくさいやつやんけ……わかり…ました…っと」トトトッ
スマホをポケットに直すと、信号が赤から青に変わる。
クリートを接続し、また走り出す。
走りながらサイクルコンピュータで時刻をチラリと見る。
デジタル表記で、15時50分を記していた。
「もうちょいスピード上げなきゃ間に合わんな、こりゃ…」
スピードを上げるため、ギアを1段階上げる。
ペダルが少し重くなったのを感じ、足に力を入れる。少しずつスピードが上がり、景色が吹き飛ぶようだ。
「やっぱり、ロードはいいなぁ」
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