誕生

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誕生

あすみが生まれたのは、母親の真奈美が43歳の時だった。 その7年前には不妊治療の体外受精で、長男の礼を授かっていた。 礼は賢く健康に育ち、子供は礼ひとりで充分幸せと、真奈美も8歳年上の夫、修も思っていた。 それなのに思いも寄らず自然妊娠をしたので、修と真奈美は困惑した。 出産前検査で問題がなさそうだったので、産むことにしたものの、真奈美はその妊娠中に何度もお腹の子を忌々しく思った。 二度目の高齢妊娠は、礼の時よりも更に身体に堪えた。礼は一年生になったばかりで、学校行事や、習い事の送迎など、まだまだ母親を必要とした。 嫁の身体を労るのを口実に、隣県に住む修の母親が度々やって来るのも嫌だった。 どうして今更、妊娠なんてと真奈美は何度も口にして、修がそれを咎めた。 お腹の子が女だと判ると、修も礼も大変な喜びようで、出産の日を待ち望んだ。 その出産は大変な難産で、母子共に危険と判断され途中から帝王切開に切り替わった。 真奈美は傷の痛みと産褥症状が続き、赤ん坊どころではなかったが、礼の事が気がかりで1日も早く退院しなければと思った。     
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