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年齢は20代後半位であろうか。
茶色のパーカーを着た若い女性。
服装からして仕事ではなさそうだ。
そう思った矢先、彼女はビールらしきものを口に運んだ。
ほぼ間違いなくプライベートであろう。
しかしいい飲みっぷりだ。
下戸の私は酒が飲める人が少々羨ましい。
まして女性一人で回転寿司にやってきてビールを飲む女性。
男前の女性ではないか。
若いというのは羨ましい。
しかし・・・しかしだ。
その女性は・・・どうやら妻が言ったのが正しいようだ。
時々顔が強張る。
そして目に涙を溜めながら寿司を食べる。
しかし不思議な事に寿司をとても美味そうに食べるのだ。
一口頬張る度に大きくニコッと笑う。
そしてビールをグイッと呷る
それを繰り返す。
いや、正確には笑い顔を作っているのであろう。
何故なら、寿司を頬張る度に女性の瞳から涙が零れ落ちる。
寿司を頬張りハンカチで目頭を押さえ、ビールを飲む度に目頭を押さえる。
そして時折下を向いて鼻を噛む。
その繰り返しを終えた後、女性は席を立ちそして戻ってこなかった。
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