0人が本棚に入れています
本棚に追加
(twin souls-3)
最近また夢を見るようになった。
若い頃によく見た夢だ。
何かに取り憑かれたように、もがき、足掻く夢。
子供たちも独立し、妻に先立たれた老いぼれが、若い頃の思い出に浸ることが増えたからか。
ある日自分の子供と同じ年頃の見知らぬ男女が私を訪ねて来た。
彼らが言うには、入院中の母親の家の片付けをしていて日記を見つけたのだそうだ。そしてそこに私のことが書いてあったというのだ。
彼らの母親の名前を聞いて納得した。
高校の頃の後輩で、今でも年賀状のやり取りをしている。住所がわかって当然である。
彼らは「母はもう長くありません」とだけ言って、日記を置いて帰っていった。
「私たちはこの日記に書かれていることを信じているわけではありません。ですが母は毎日うわごとのようにあなたの名前を呼んでいます。父ももう亡くなっていますし、私たちは母の気持ちを尊重したいと思っています」日記にはそう書かれたメモが挟んであった。
彼女の日記を読み進めていくうちに、内容が自分の夢とリンクしていることに気づいた。そして最後のページにはこう記してあった。
iPhoneから送信
最初のコメントを投稿しよう!