結婚式

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サンドイッチを交換したりして食べ終えて、予約時間まで二人で横になった。 「眠くなったら寝ていいですよ? 一応、アラームかけておきますから・・。」 と、公太さんが言う。 「公太さん? 婚約指輪って、その場で買ったのですか?」 「どうしました?急に・・。」 「いえ。その場でポンと決める姿が想像できなかったので・・・。」 「カタログを見ていたとはいえ、簡単には決められず、 一度、見せて頂いて、そこから候補を絞って決めました。 悩みました。女性の物を買うのはいろいろ難しいですね。」 私はクスクス笑いながら、 「ありがとうございました。 たくさん、たくさん、嬉しい事いっぱいでした。」 と、お礼を言う。 「いえいえ・・。」 という声が聞こえて、スースーという寝息になるまで時間はかからなかった。 6時のアラームで二人、同時に目が覚めた。 「アラームセットしておいて正解でしたね。」 と、公太さんがぼさぼさの頭で言うので、思わず笑ってしまった。 それを見て、公太さんが、 「花さん、笑っている場合ではないですよ? 洗面台は早いもの勝ちですからね。」 と、立ちあがって洗面所に行く。 ベッドの部屋に付いている鏡に映る自分を目にして、 「わぁ!」 と、奇声をあげて、洗面台に急いだ。 人の事は言えない・・・どう寝ていれば、こうなるのだろう? 支度を終えて、ちょっといい恰好で予約していたレストランに行った。 個室に案内され、ちょっと緊張する。 「花さん、緊張しないように個室にしたんですよ?」 と、公太さんに言われるが、 (いやいや・・・。緊張するでしょ?) て思う。 でも、時間がたつと、個室・・・・落ち着く・・・と感じ始める。 人の出入りは少ないし、会話するのに周りの事も気にしなくていいし、テーブルマナーがどうだ・・って気にしなくてもいいし・・・。 「んーーー。美味しい。」 「良かった。 さっきより、肩の力が抜けたみたいですね。」 と、私の様子を見て公太さんが安心したように言う。 「だって、個室とか・・初めてです。ちゃんとした中華のお店も初めてです。」 「それは良かった。僕も初めてです。今日は初めてがいっぱいで楽しいですね。」 公太さんが言うと、ドアが開いて店員さんが料理を運んできた。 「こ、これは・・。」 目を輝かせ、見てしまう。 「百合さんに聞きました。食べたい料理5本に入るとか?」
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