2人の生活

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二時間程休むと随分良くなった。 さすがに御昼ご飯は食べる気がしなかった。 公太さんが帰ってくるまでに夕ご飯御の準備はしたかったので、もう少し休んだら買い物に行こうと考えて、冷蔵庫チェックをしようと開けてみる。 多少のお肉や必要最低限の野菜しかないだろうと思っていたのに、冷蔵庫の中は野菜もお肉もお魚もしっかりと入っていた。 「公太さん……何か作る予定あるのかな?」 とりあえず買物の必要はなさそうで安心する。 長距離の移動は体力的にもきついようで、重い物や、沢山の買物をするのは正直、辛いと思っていたのだ。 ( おかげでもう少し横になっていられる) 横になりながら、夕食の献立を考える。 (一応、公太さんに食材を使っていいか聞いた方がいいかな?) と、冷蔵庫の中身を思い出しながら考えていると携帯がなる。 鞄から取り出すと、公太さんからメールだ。 「着きましたか?。。かな?」 予想しながら開けてみる。 「そろそろ駅でしょうか? 昨日、買物にしておいたので、そのまま家まで直行してください。花さんの好きなケーキ買ってあるので休憩がてらおやつにどうぞ。疲れたら夕ご飯は何か買っていきますから連絡してください。」 メールを読んで、 (公太さん、やさしー!) と感動する。 駅から買物に寄って来るだろうと考えてくれたんだと思った。 1人で重い荷物を持って帰るのが大変だと思ってくれたんだろう。 ふと、ケーキという文字に注目し、がばっと起き上がって冷蔵庫の前に行き、開ける。 「ケーキなんて、あった?」 注意深く見ると、奥の方に白い箱が狭そうに挟まっている。 そっと潰さないように取り出す。 初めてここにお邪魔した時、近くのケーキ屋さんで2人で買ったケーキだ。 私はこの味がとても気に入っていた。 なかでも、紅茶のムースとスポンジのケーキは最高だと言った覚えがある。 その紅茶ケーキがひとつ、入っている。 食事なんて喉を通らないと思っていたのに、恐る恐る口にしたそのケーキは甘く美味しかった。 優しくゆっくりと、私の身体に入っていった。 (ちょっとくらい具合が悪いのなんてなんだ! 美味しい御飯作ろう。) それから冷蔵庫と向き合って、献立を一生懸命考えた。 公太さんの喜んでくれる顔を思い浮かべながら…。
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