異世界のダンジョンが二束三文で買えました

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俺はいつもの様に安売りサイトで物色していた。偶にお宝が売りに出される事があり、それを安く購入できた時の快感は何とも言えないね。 「ん? 何だこれ。『倒産したダンジョン』・・・二束三文で売りに出されてるぞ。売り主の名前は「パンゲ」、聞いた事無いな。何かの冗談か?面白い、買おうじゃないか」 この時の俺は例えイタズラでも後悔しないと思っていた。異世界に強制転移なんて特典が待ち受けている事を知っていたら俺はきっと購入しなかっただろう。今の生活には満足していたし、自分の命が天秤にかけられる事態なんて訪れるはずもなかったのだから。 「え? 何だ此処。俺は自分の部屋にいたはずだろ!」 突然景色が変わっている事に俺は驚きを隠しきれなかった。 「いやー、ナイスリアクションだね。あ、ダンジョンのお買い上げありがとう」 「は? ダンジョンってもしかしてお前が売り主のパンゲか!」 「ご名答。僕は異世界の神様やってるパンゲだ。地球の神にお願いしてサイトにダンジョンを売らせてもらったのさ」 「はあ? 神様だって。巫山戯んなよ!」 「巫山戯てないさ、君を此処へ連れて来たのは僕だよ。異世界転移に普通なら大人数で儀式が必要な位だけど、僕なら一人でチョチョイさ」 「異世界転移? 冗談も休み休み言えよ。そんな馬鹿げた話があるかよ」 「信じないのは勝手だけど、君はダンジョンを買ったんだからもうダンジョンマスターになっているからね?」 「ダンジョンマスター?」 「嘘だと思うなら試してみれば良いさ、そこのダンジョンコアに手をかざしてみなよ、好きなモンスターを生み出せるから」 何時の間にかダンジョンコアと呼ばれた巨大な宝石が目の前に鎮座していた。恐る恐る手をかざしてみると、急に頭の中に声が響いた。 《召喚したいモンスターを選んでください。スライム、ゴブリン、コボルト、スズメ》 スライムだと? あのプルプルした謎生物だと言うのか! 《スライムを召喚します。消費魔力は10になります。残りの魔力は990です》 「倒産で魔力が枯渇してたから僕から魔力を1000プレゼントしておいたよ。因みにこの魔力増やす事も出来るけどゼロになったら君死んじゃうから気を付けてね?」 「死ぬだって? 何でそんな事になるんだよ!」 「だってダンジョンマスターは魔力で生きてるからだよ。魔力がある限り不死身だから魔力を増やせば良いだけじゃん」
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