異世界のダンジョンが二束三文で買えました

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「本当に魔力が無くなれば死ぬのか?」 「地球の神に誓っても良いよ」 「魔力を増やす方法は?」 「めんど臭いからアドバイザーを用意してあげたよ。ダンジョン運営に関しては全部彼女に聞けば良いよ」 「ニュエムと申します。ダンジョンに関する事は全てお答えいたします。以後お世話になります」 「彼女はダンジョンに常駐だよ。サービスで彼女の消費魔力は僕が負担してあげたからね」 メイド服着たエルフ耳の女性がスライムを抱き締めながら挨拶して来た。ってスライム抱いてたのかよ。道理で召喚した筈なのに居なかった訳だ。気持ち良さそうだなおい。 「先ずはダンジョンに維持魔力は必要なのか?」 「必要ありません。但し常時稼働しているトラップや湧き水等のオプションは設置する際の1割を維持コストとして月に一度消費されますのでご注意ください」 「つまり、維持コストのかからないオプションだけなら魔力が勝手に無くならないんだな?」 「その通りです。他にはダンジョンマスターである貴方が傷等を負って瀕死の状態になる事があった場合は、魔力が自動で消費され回復しようとします。この時に魔力が尽きたのなら死亡する事になります」 「俺自身が外敵に晒されなければ魔力は基本無くならないのか。で、魔力を増やす方法は?」 「魔力を持つ生物がダンジョンに一定時間滞在する事で増加します。その生物がダンジョン内で死亡した場合は消化されて魔力が大幅に増加します。精霊や幽霊でも魔力を持っていたなら、同じ様に一定時間滞在する事で魔力が増加します」 「例外は神様だけか」 「僕の魔力をダンジョンに提供する際はちょっとした手続きが無いと上げられないよ。何せ僕の魔力は強大過ぎてダンジョンコアが吸収しきれず壊れちゃうからね」 「おい、壊れたら俺も死ぬんじゃないか? 絶対に辞めろ」 「そんなつまらない事する訳ないでしょ。これから毎日君のやる事を眺めて暇つぶししようとしてるんだから」 「おいこら、人の人生を暇つぶしで覗くんじゃねえよ!」 「えー、覗いてないとご褒美上げられないよ? 良いのかなー、ご褒美の中には地球の帰還があったりするんだけどなー」 「クゥ、足元見やがって」 「じゃあ僕はこれで退散するね。無様な姿を見せてくれると嬉しいなー。でも魔力切れになる様なヘマだけはしないでね? バイバーイ」 パンゲと名乗った異世界の神様は帰ったようで忽然と消えた。
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