異世界のダンジョンが二束三文で買えました

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「動物達が湧き水に群がって来た様です。魔力が微弱ですが増加して来ました」 ダンジョンコアが明滅して魔力が確かに増加している様だ。 「動物達の中に魔力を持った奴がいたのは良かったが、たかが知れてるな。一度に増える魔力が1とかスライム産み出すのに数時間かかるじゃないか」 「その代わり、獣ですのでダンジョンが脅かされる事なく安全確実に魔力を増やす事が出来ますよ?」 「俺が最初から異世界の住人だったならそれでも良いが、日本人は悲しいかな働き者なんだよ。もっと効率よく稼ぐ必要がある。人間がこのダンジョンに入った場合の一人当たりの魔力増加率は解るか?」 「一般的な冒険者一人の魔力を平均値とした際には一時でおよそ50、30分以下なら20といった所でしょう」 「最低でもゴブリンは産み出せるのか、悪くないな。よし、先ずは飯屋を作るぞ」 「素材や食料品その他は魔力で産み出せますが、危険ではないですか?」 「宝箱の発生しないダンジョンを攻略する奴なんていないさ。むしろ格安で美味い飯が食える店があったらその場所を脅かそうなんて考える奴が出る訳無いだろう」 「どうなっても知りませんよ?」 「なる様になれだ。命を懸けて戦う位なら商売やって生き残りたいよ」 「私はアドバイザーなので表には出ませんからね?」 「お前は日本人の料理を知らない。まかない飯が食える店を手伝わない未来は決して訪れないと予言してやろう」 「私はコレでも舌に自身が有ります。王宮料理並みの美味しさでなければ私の心を動かせると思わないでください」 数分後・・・ 「何ですか!? 何なんですかこの美味しさは! 今迄食べた事がありません」 「コレが地球の日本人が魔改造によって生み出した料理の一つ、ラーメンだ」 「一つ? もしや、この料理以外にも美味しい物があると言うのですか!」 「店を手伝うのであれば、まかない飯として日替わり料理をお見舞いしてやろう」 「一週間違う料理が味わえると言うのですか! やります、やらせて下さい!」 「チョロいなお前。まあ、人手が必要だから助かるんだが」 「店作りに消費される魔力はどの程度までにするのですか?」 「万が一を考えて魔力を100だけ残して残りを全部使う。1日で増加する魔力量によっては増築も視野に入れる」 「この味ならば冒険者が殺到するに決まっています。翌日には増築する事になるでしょう」 「マジかよ」
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