異世界のダンジョンが二束三文で買えました

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マジでした。冒険者の食欲舐めてたわー。匂いにつられてやって来た冒険者がまず美人メイドに驚き、飯の味に驚き、最後は安さに驚いた。 稼ぎの悪い冒険者を見越して宿屋で出される朝食の値段の半分程にしてみたら、あっという間に拡散した様だ。ネットの情報拡散並みの速さだな。冒険者って日々の食い扶持稼ぐので精一杯なのね。 「今日の稼ぎだけで魔力が1000行ってるんだが、どんだけ冒険者来てたんだ?」 「正確な数は解りませんが、50人といった所でしょう」 「そう言えば30分以下で20だったら50人で1000行くのか」 「回転率が早かったので、滞在時間が短かった為に最低限の魔力増加でしたが、過去最高効率でしたね」 「前のダンジョンマスターどんだけヘボだったんだよ」 「店の増築を行いますか?」 「今のままだと人手が足りん。増築するとニュエム一人だと賄いきれない」 「やあ、そんなお困りの君にご褒美だ。まさかダンジョン運営で飯屋を始めるとは思わなかったから笑わせて貰ったよ。お礼に彼女を進化させてあげよう」 「彼女?」 「君が抱いているスライムだよ。今日はゴミ処理係をしてたけど、人手の方が不足するから進化で人型にするよ」 「お、おう」 「行くよー、ソレ!」 スライムが発光して眩しかったから目を瞑る。光が収まって目を開ければ、スライムは幼女に変化していた。 「パーパ、ハモハモお店手伝うの!」 ハモハモはスライムの名前だ、言葉を喋れる様になったのか。って、何でパーパやねん! 「ブフゥ、パーパだって、最高だね! 今は幼女の姿だけど、明日には少女位になるよ」 「人型の進化に身体の方が追い付いていないのでしょう。元々スライムですので姿は変幻自在になるはずです」 「メイドが増えたのは喜ばしい事だが、ゴミ処理係が居なくなってしまったな。スライムをもう一度生み出すか」 「今回自力で魔力を1000にしたからスライムの上位種を生み出せる様になったよ。試しに召喚してみなよ」 言われるままダンジョンコアに手をかざして脳内アナウンスを確かめる。 《召喚したいモンスターを選んでください。スライム、ビックスライム、ゴブリン、コボルト、スズメ》 ビックスライムが上位種なのか。召喚してみるとスライムより数倍大きいビックスライムが現れた。でかいクッションみたいだな。あ、コレ人間を駄目にするヤツだ。ニュエムがビックスライムに埋もれて幸せそうな顔してやがる。
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