トロッコ・デ・シューティング

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トロッコ・デ・シューティング

過去最高記録を更新した入場者数。タダ飯を目的に来ている奴らは別にしても、暇人どもがこんなに居るとは驚きだ。 「娯楽施設が少ない世界で、こんなにも刺激的な物を造られておいて、良くそんな感想が出て来ますね」 「んー、俺としては魔力が溜まればなんでも良いやで造っているからなぁ。俺の居た前の世界では当たり前にあるもんだし」 「くはー! 最高じゃ!! やはり我が一番であったな。お前達も初めてにしては中々であったぞ」 「有り難きお言葉。しかし、この魔道具による遊技場中々侮れませんな。走るトロッコに乗りながら的となる敵に魔道具を当てる事のなんと難しい事か。コレは戦闘訓練に導入しても良い内容かと思われます」 「しかり、遠距離攻撃を行う者達にとっては命中精度の向上に繋がるかと。交代で此処に通わせる事を検討しましょう」 「むははは、それは良い考えだ。此処で好成績を残せた上位者は我と同席を許可してやろうではないか」 「それは部下達にとって何よりのご褒美となるでしょう! ただ、部下達の一部は未だ変化出来ない者も居ります。変身の魔道具を予算に盛り込んでも宜しいでしょうか?」 何か遊び終わって帰って来た魔王とそのお連れ達が部下を此処に連れて来る算段を話し始めてやがる。バレなければ俺としても魔力が増えるから是非とも来て貰いたい。 「くぅー、何で一度もやってなかったお前さんが一番何だよ! もう一度行くよ?」 「わはは、何度やっても同じよ。儂、絶対命中のスキル持ちじゃもの。しかし、楽しいもんじゃなぁ。下界での狩ではこんなにも楽しく感じた事など無かったのに、発想の転換一つでこうも楽しめるものとなるとは、天晴れじゃわい」 「しまった! スキルに関しては制限していなかった。今度はスキル封印してやる様に! じゃないと勝負にならないじゃんか」 「良かろう、偶にはハンデをくれてやるわい。それでも儂が勝つがな」 「スキルが封印されたなら私にもチャンスは有るわね。やり方は覚えたし、今度は負けない」 「うわー、女神がこんなにもやる気を見せたの何時ぶり? 創世記の頃位しか見た事無いんだけれど」 「俺、今度冥界の女神誘ってみるわ。絶対にハマるよ、あーでも他の神達も順番待ちだから何時になるやら」 神様達も帰って来たか。しかし、神様負けてやんのザマァ。万人ウケした様で、今後も客足は伸びそうで何よりだ。再び列の最後尾に並び直す魔王達と神様達を眺めながら、俺は次に造るアトラクションに想いを馳せるのだった。
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