演歌歌手(歌姫)選抜カラオケ大会

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演歌歌手(歌姫)選抜カラオケ大会

次なるアトラクションに向けて準備は着々と進み、残すは歌い手のみとなっていた。其処でこれまでに召喚したモンスターと新たに召喚したモンスター全員でカラオケ大会を開催して演歌を歌わせ、誰が一番上手く歌えるのか試してみる事にした。 「呼んだ覚えが無いのだが、何故居るんだ?」 「何やら楽しそうな事をする予感が、こうピキーンと来てな」 俺の左側席にはアドジエが。 「ほら、審査員は中立な立場の者が必要でしょう?」 右側席にはパンゲが、特設会場の審査員席に座っていた。まぁ俺一人で審査するよりかは多数の意見がある方が間違いはないだろう。余程下手で無いなら飛び抜けて上手く無い限り点数が似たり寄ったりになるからな。其々の好みなどで有る程度の格差が見れるだろうし良い機会か。 「私も歌い手の方に行きたかったのですが」 「いや、アドバイザーが審査しないでどうすんだよ。ニュエムはやる事沢山有るんだから、そもそもやる暇なんて無いんだぞ?」 「それなら後で私にもカラオケさせて下さいね? 大声で歌うとストレス発散になると教えて下さったのは貴方ではないですか」 「へいへい。演歌以外の曲も入っているから、好きな曲を好きなだけ歌ってくれ」 「我も後で歌わせろよ」 「お前は居るだけで魔力がたんまりと入るから、特別タダでやらせてやる。あ、パンゲ。お前は使用料取るからな?」 「扱い酷くない!?」 魔力を提供しない奴に優しくする必要はない。リハーサルを兼ねて何曲か俺が演歌を歌ってみせたのだが、思ってた以上に皆が食い付いた。特設会場の脇では早く歌いたくてウズウズしている人型のモンスター達が。 「良し、そんじゃ始めるか。第一回、演歌歌手(歌姫)選抜カラオケ大会!」 トップバッターは勿論コイツ、初めて召喚し、初めて人型になったモンスター。スライムのハモハモだ。今では立派な成人女性の姿になっている。 「一番、ハモハモ。歌います!」 魔力をしこたま取られたが、魔道具のカラオケ機材は正常に機能している。100万達成のご褒美で日本で造られている大半の物が魔道具として造り出せる様になった。本当は採点付きのにしたかったのだが、馬鹿みたいな魔力を要求されたので採点無しのに落ち着いた。昭和レベルかよ。 「初めて歌っているにしては良いですね。しかし、大人の魅力は出せていない様です」 人型になったのが最初幼女からだったしな。身体の方は大人に見えても心は未だ幼いままか。演歌は大人の魅力をいかに醸し出せるかで上手さが変わる。 「ハモハモにはアニソンの方が似合っているな」 採点は辛めで10点満点中の3点を出しておいた。他の者も似たり寄ったりだった。今後の成長に期待する。
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