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《テスト》と称して、彼女は会うと必ずとんでもない試練を俺に課すのだ。立ち入り禁止のビルに入りたいとか、枯れた木を持ってきて生き返らせて頂戴、とか、もうほんとに無茶苦茶である。だが無理です、なんて抗議してもむだだ。うそ、できるくせに、って笑われるだけだ。もう慣れたけど。
それにしても、幽霊屋敷か……。俺は伸び放題のぼさぼさ頭をかいた。
「まあ……やってみます」
俺はまずインターフォンを探した。が、どこにもそれらしき物がない。表札すら出ていない。 屋敷の周りを一周廻って裏口を探してみたが、木塀がひたすら続くだけ。これはもう来客を拒んでいるとしか思えない。
中へ電話するしかない。ひめさんに電話番号を聞くと、忘れた、ととんでもない返事が返って来た。そんなばかな。
そこでさっきもらった名刺を取り出したが、電話番号が書いてない。内側から開けてもらうのは無理か。俺は名刺を噛んでしばらく考えた。この門、よじ上る……のは、もっと無理。ぱっと見ただけでも、高さが俺の身長の2倍はある。
まあでも、中に人がいるなら、気付いてもらえばいいんちゃうかな。
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