第1章   まずは訪問

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まさかもう中に入ったのか? 俺は門の中を覗き込み、ためらいがちにひめさーん、と呟く。楠木が陰を落とす庭には鬱蒼と下草が生い茂り、しんと静まり返っている。 俺はそっと門の中に足を踏み入れた。 それとほぼ同時だった。 「そこで何してる」  背後から突き刺さる鋭い声に、俺は、一瞬かたまる。
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