第2章   面接

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俺は咄嗟に駆け寄ろうとしたが、御魂は怒りに似た唸りを発しながら俺の前に立ちふさがり、元に戻ろうとしない。手をさしのべると、やっと掌の中におさまり、ふっと消えた。 戸口で固まっていた水曜がやっと呪縛を解かれたように駆け寄って来る。金曜を抱き起こそうとするが、金曜はその水曜を細い手で押しのけ、立ちあがった。俺を見つめる。 「お前も幻術を使うのか? ふん、よろしい……。しかしおれはもうお前の心を読んだぞ。保護者の女と一緒に来たな、青い着物の髪の長い女とな。そいつはもうじきいなくなる、お前の保護者は永遠に消えてなくなる」 そして日野金曜は大声で笑うと、糸がきれたように床の上に崩れ落ちた。 あまりにも不吉な予言のため、全員が無言になる。しばらく経ってから、やっと水曜が口を開いた。木曜を抱え起こし、俺を警戒の眼差で見上げる。 「さっき、お前は何をした? 触りもせず金曜をふっとばすなんて」 俺は床の上に倒れている金曜を見下ろしたまま、説明に窮する。御魂について知らない人に説明して信じてもらえるとも思えない。  とりあえず俺はしらばっくれる。 「何って、なにが」 「とぼけるな。一体何の力を使ったんだ? あの状態の金曜を退けるなんて。そんなことができるのは木曜の護符だけなのに」 「護符?」     
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