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第1章 まずは訪問
高校1年の夏休み、それは普通なら退屈なはずの日曜の午後だった。違っていたのは、いつもなら鬼のように散らかっている俺の机が片付いている事と、俺が荷造りをしている事、そして俺の部屋に8人もの野郎どもが集まっているという事。
孤児の集まるここ聖心養育施設では、高校生以下は8人まで同室と決まっている。16歳になるまで同室だった古い仲間は、高校生になると施設を卒業するか別の2人部屋に分散する。
バイトを始めた奴も多く、いつもなら日曜に全員が揃う事などないのだが、今日はどういうわけか全員いる。俺と同室で1つ年上の先輩1人を加えると6畳程の狭い部屋に実に10人もの野郎がいることになる。異様な人口密度ではある。
俺はクローゼットから残りの服を抱え出す。ため息をついて扉の裏の姿鏡を見つめた。
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