君とぼく

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つい最近まで赤ちゃんだったのに、ずいぶん大きくなった手でお尻を撫でられた。子分は頭を撫でて、君は喉を何度も何度も撫でてくる。本当はお尻も頭も撫でられるのは好きじゃないのに、嫌な気はしない。 撫でられながら色んなことを思い出した。 初めて貰った首輪の色。缶詰めに入ったお気に入りの魚。日毎に大きくなる赤ちゃん。 冬の冷たい風以外にも、春の花の匂い、夏の暑い日射し、秋には美味しい魚が有ることを知ることができた。 君に拾われる前の事はもう覚えてない。幸せな思い出がいっぱいだから、ぼくのちっちゃな脳ミソには入りきらないんだ。 君たちの隣で鳴いて笑っていられることが本当に幸せ。 君たちに出会えて、一緒にいられて、こうして最期まで傍に居てくれて、本当にありがとう。 できることならもう一度一緒に歩きたい。 でも、もう出来ないみたい。 ぼくは一人で行かなきゃならない。 ありがとう。大好きな人たち。
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