花火の下で、私は独り泣く。

#彼からの優しさ

｢お待たせ。はい水｣

｢巽サンキュー！｣

｢あ、一夏ちゃん！巽くんと一緒だったんだね！浴衣姿すごく可愛いー！！｣

｢ありがとう…架星ちゃんも可愛いね｣

予想通り架星ちゃんの浴衣姿は、可憐(かれん)でとても可愛らしかった。

しかも瀬那が好きそうな雰囲気。

｢えっ！！本当！？この浴衣ね、お姉ちゃんに借りたんだー！｣

｢山下って、姉ちゃん居たんだ？｣

興味津々に反応する瀬那に私は居づらくなって、ふとフタリから視線を逸らす。

｢ちょっと来て｣

｢えっ…！？｣

腕を掴まれては連れていかれ、どんどんフタリから離れていく。