花火の下で、私は独り泣く。

#鍵をかけなきゃ

｢一夏ちゃんって分かりやすいよね｣

｢え？分かりやすいって…？｣

意味深な発言をする彼に思わず、聞き返す。

｢笑ったと思えば悲しげな表情になったり。今だってどこか無理してる｣

｢そんなこと無いよー！｣

なんだか全て見透(みす)かされてるみたいで…

必死に気持ちが漏(も)れないよう誤魔化す私。

だめだ。

これ以上、甘えちゃ。

｢バレバレだし…無理しなくていいよ別に｣

だって泣いちゃう。

優しい言葉をかけられたら…。

｢瀬那のことが好きなんだよね？｣

違う…。

この気持ちに鍵をかけなきゃ。