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#予想外のコトバ
「ありがとう!でも大丈夫だから。巽くんは戻って?」
最高の笑顔を作る。
それでも巽くんは一切笑わず、不安そうな顔で私を見つめた。
「じゃあ。僕もここで見ようかな」
「…え?」
予想外の返事に驚いて、マヌケな声が出る。
「ダメ?」
「いや…ダメではないけど…」
「良かった」
草原に腰をかけると花火に視線を移した。
本当に、ここで見る気なんだ…。
隣に巽くんが居ることによって、少しだけ気持ちが紛れたから。
良かったような…良くないような…?
そんな複雑な気持ちで花火が終わるまで、私は夜空を見つめていた。
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