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「ふぅん…サッカー部に好きなヤツでも居たりしないの?」
「な…なんで!!」
「なんでって…校庭にいんのってサッカー部だし」
「ないない!!絶対にないから…っ!」
「フッ。そんな全力否定しなくても」
目を細めながら笑う、その表情は優しく穏やかで。
胸がキュッとキツく締め付けられる。
…………本当は。
“瀬那が好きだよ”
そう言えたら。
どんなに楽なんだろう。
「やっべ、チャイムだ…席戻るわ!」
「あ…うん!」
もう少しだけ、瀬那と話していたかったな…。
授業だから仕方ないけれど。
名残惜しく思いながら瀬那の背中を、しばらく見つめていると…
隣の架星ちゃんに話しかけられていて、何故か彼女の消しゴムを受け取っている仕草が見えた。
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