第一章 一話 角が生えちゃった……

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「子孫って…… じゃあ、本当に鬼は昔に存在したの?」 沙耶の質問におばあちゃんはうなづいて答える。 「酒呑童子は源頼光に首をはねられたと伝説が今でも残っているがいたんだよ。酒呑童子の子供がね…… それが私たちの先祖さ。その子供は酒呑童子の最も信頼されていた配下、茨木童子によって守られながら育っていったそうだ」 「そうなんだ…… あの、おとぎ話やゲームで有名な鬼は存在したんだ……」 私はおばあちゃんが言っていることのスケールがでかすぎてそんなことしか言葉が出なかった。 「おばあちゃんが言っていることが本当だとして、なんでお姉ちゃんには角があって、私には無いの?」 沙耶がおばあちゃんに聞くと、おばあちゃんは腕を組んで考え始めた。 「それが私にもわからんさね…… 一つ可能性があるとするならば……」 「あるとするならば?」 「葉月が酒呑童子の先祖返りなのかもしれん…… 酒呑童子は角が二本あったとされるし、姿も示されている通りなら葉月とそっくりさね」 「ただ、これ以上は私でも知らんさね。あとは蔵に行って文献を探すか、酒呑童子の居た大江山に行くしかないさね。 でも、これだけは言っておくけど、あんた達は私たちよりも鬼の血を多く引く、鬼の子孫さね」     
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