01 創造主

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 さすが芸能人だ。睫が長い。小さな整った顔をしている。  しかし、疲れて、やつれているようにも感じた。 (……て、私、何やっているのかしら?)  見惚れて、どうするのだ。 「ああ、すいません。実は……」  美聖は当たり障りなく、結果を伝えようとした……が、ふと最上が頬杖をついている左手の骸骨スカルの指輪が気になった。  初めて会った時から、目にはつく程、大きな銀製シルバーの指輪であったが、なぜか今、とてつもなく気になった。  黒いもやと、光……『ユリの絵』に美聖が見たものと、同じような影が立ち上っているような気がする。  余り触れてはいけない物のような気がした。 (まあ、骸骨だし……ね)  イメージの問題もあるだろう。  それでも、気になっていると、痺れを切らした最上が声を荒げた。 「なに? 悪い結果が出て、言えないとでも?」 「…………そういうわけでは」 「美聖ちゃん」  ふわっと、トウコが美聖の肩に手を乗せた。 「もういいわ」 「トウコさん?」 「絵のモデルの件は、お断りさせて頂きます」 「…………なっ?」  降沢は一言も発していない。  ――なのに、トウコの言葉は、きっぱりとしていて、誰も口を挟む隙を与えなかったのだ。     
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