夢の続き

夢で出会う彼

私には会いたい人がいる。
誰かはわからない。
ただ、夢の中にでてくるのだ。
夢なのに、彼の匂いや体温を感じるような気がするのはなぜだろう。
どこか懐かしい気がするのはなぜだろう。

彼に会う頻度は高くない。突然、思い出したように彼は私の夢に現れる。
夢の舞台は様々。学校やバス、公園。知っている場所や全く知らない場所。
でも、顔も知らない彼はいつも私の手を引っ張り、見ているのはいつも後頭部と、広い背中。手を引っ張られ始めたときにはもう周りなんて見ている余裕はなくて。何かを話しているようだけどうまく聞き取れなくて。
感じるのは彼の手から伝わる体温とほのかな甘い匂い。
ぐいぐい引っ張られて待って?って思ったら目が覚める。
ただそれだけの夢。なのに数か月、数年に一度見る不思議な夢。

旦那の背中を見上げてふと気付く。
あれ…。
私は彼をきちんと知っていたことに気づいた。
彼は振り向く。
夢の続きはこれだったんだ。