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マグカップから立ち上る湯気、独特な苦味ある風味を楽しみ、息を吐く。
あの日の後、私の自害が報じられ、私の存在は消えた。
今の私は魔法省に所属する職員に過ぎない。
両親の後ろに誰がいるのか調査した結果、中々わからなかったが、ようやくその正体が判明した。
魔法使いの違法集団が犯人だった。
魔法使いは希少のため、見つかれば利用される。
そうした魔法使いを違法に集め、その力を独占していた貴族が大元だったのだ。
私はその貴族を見つけ、陛下に報告し、魔法使い集団を一網打尽にすることが出来た。
侍女の彼女も私の死を知り、悲しんでいたが、今はようやく立ち直り、日々を過ごしていると聞く。
婚約者の彼は婚約破棄後に別の令嬢との婚約話が持ち上がっていると聞く。
私の大切な人たちが幸せな人生を歩んでくれればいい。
私が自害したという悲しい嘘が、彼等にとって優しさ嘘であることを願うばかりである。
私が魔法使いであることを結局彼等には告げなかったし、これからも彼等が知ることはない。
二度と会えない彼等がどうか幸せでありますように。
私も今日も魔法省職員として過ごす。
END
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