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黒いローブを目深く被った二人はローブのフードを外し、見渡すように部屋を眺める。
「ここか?」
男の問い。
「左様で御座います。我が家の屋敷の地下室です。」
私の答えに満足したのか、何度も頷き、部屋を歩き回る男を呆れたように女はため息を吐く。
「まったく……仕方のない方ね。興味が湧くとすぐ熱中して周りが見えなくなるのよ。ごめんなさいね。」
「いいえ、如何様にして下さって構いません。お二人を喚んだのは私ですから。」
「あらあら、寛大なことね……でも、嘘でも迷惑だと言っておいた方がいいと思うわよ?この人、こうなると長いのよ。」
「失礼だな。まだ要件が終わっていないのに勝手に見て回ることはないぞ。」
「まぁ、珍しいですこと。しかし、私が先に申し上げたから思い直したのではなくて?そう、まるで悪戯しようとしているのが寸前でバレた子供のように……」
図星なのか、眉間に皺を寄せる男。
クスクスと楽しげに笑う女。
「王妃様、お心遣いありがとうございます。ですが、私は大丈夫です。どうぞいくらでも検分なさって下さいませ、陛下。」
臣下の礼を行い、二人を見遣る。
私が先程魔方陣により召喚したこの男女一組は、国王と王妃なのだ。
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