あの日の珈琲はーー

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物珍しいものを見るように魔方陣の周りを歩き回る。 「これが魔方陣か……ふむ、初めて見るな。」 国王と共に魔方陣を見つめ、感嘆する男。 「当然です。今や魔法使いの希少。滅多に見られるものではありません。」 その後ろに立ち、魔方陣の完璧さを褒めるように彼女を見遣る。 その視線の意味を読み取り、一礼する。 「このような素晴らしい魔方陣を描く人物には、我が国のために尽力していただきたいものですな。そう思いませんか?陛下。」 「宰相、そう無理を言うな。彼女が魔法使いであることは秘密なのだ。」 「わかっておりますが、やはり目の前で見てしまうとその力を借りたいと思ってしまうのです。」 「お二人共、どうかそこまでにして下さいませ。私は、我が弟子を国政に駆り出すことを一度も認めておりませんよ。彼女が優秀であることは認めますがね。」 「すまんな、魔法長。」 「構いません。彼女を諦めて下されば。」
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