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「フツーのオジサンだったよ? 大きいだけで。でもフツーのオジサンにしてはめちゃめちゃハンサムだった。強化系の後遺症とか来てない感じ。これから崩れるのかな」
「崩れません! 士幌山が『輝雄』だった時代には、マシン系も強化系もなかったの! ついこの間まで相撲は本格だけだったの! アタシに言わせりゃ他の系統はみんな邪道よ邪道!」
まくしたてる母の語調きつくて、思わず両耳押さえたっけ。
ママの言い分もわかんないではないけど、今こうして見てたって、ハデるのは強化系の稽古だ。
こないだ『栄転違うっしょー』ってつっこんできた大男、ハヤノテル~漢字で書くと隼ノ輝だそうだ~の、盛り上がった肩とか太い腕とか、見るからに強そうでそそられる。
それに比べてメサくんは、あまりにも、あまりにも小さい…
新弟子なるのに身長制限とかないの?
「昔はね、キツイのがあったんです」
「あっ親方、おはようございます」
近くでみるとますます…見応えのあるハンサムだ。
「身長が一ミリ足りないだけでも、力士になれなかった。どうしてもなりたいからって、頭にシリコン入れて、身長伸ばして合格したなんてやつもいたんですよ」
「へえ…」
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