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そんな立場を表すかのように、白帝学園生徒会長の粟津帝斗は少々かったるそうな面持ちで、倉庫端の欄干へと腰を下ろして大アクビ状態だ。これから行われようとしている新学期の一大イベントを前に緊張感のかけらもない。相反して残りの二校では早くもギラギラとした興奮状態が続いていた。
「少しはシャキっとしてくださいよ会長。そんなふうに締まりのない顔をしていると彼らに文句言われますよ?」
隣に腰掛けた副会長にそんな嫌味を言われて、より一層面倒臭そうにノビをしてみせた。
だいたい何だ。自分たちには一文の得にもならない上に、さして興味もないこんな集まりに顔を出さなければならないというだけでもダルいというのに、緊張感を持てという方が無理だ。まあ仕方ない、これも役割というので仕方なく出向いて来たものの、正直なところ早くコトを済ませてもらって退散したいというのが会長帝斗の本音だった。
それはさておき、一大イベントといわれるこの伝統行事の内容なのだが、そもそもは前年度の番格同士が卒業直前に行うタイマン勝負が万事の発端となっていた。
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