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通年の例ではたいがいの場合、集団暴行などが圧倒的だ。たった一人で相手校の複数人と戦わなければならないわけで、いかに番格が強いといえど、たいがいの場合は打ちのめされて終いになる。ぶっ倒れてもそれに耐え切ることができれば、前年度の勝敗がサラになるという決まりになっている。
それらがエスカレートしすぎない為にも仲裁役を置いているわけで、そういった意味でも白帝学園の存在は外せないといったところなわけだ。
他に珍しい例では、バイクで埠頭の端から海面めがけて全速力で突っ走り、どちらがギリギリの位置で停まれるかを競うという男気のある勝負などをした年もあったようだが、とにかくセックスを条件に出してくるなど前代未聞のことだった。しかも双方は男子校、過去にそんな例が無いのも頷ける話だ。
本気なのか冗談なのか、氷川の提案を聞いた一同は、その場にいた誰もが一瞬耳を疑った程だった。当の紫月も例に漏れず苦笑いをしながらも、滅法呆れたというように大袈裟なゼスチャーまでつけて深く溜息をついてみせる。
「てめえの冗談に付き合ってるヒマはねえんだよー。ほら、白帝の会長様も面倒臭えってなツラしてることだし、早いとこマトモな条件出せっての!」
挑発するように氷川の目の前に立ち、その顔を覗き込みながらそう言った。
だが、氷川はふざけるなと言いたげに片眉を吊り上げると、
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