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「はん、他人のせいにしてんじゃねえよ。俺は条件を変えるつもりなんぞねえな。白帝の奴らに手間掛けたくねえってんなら、てめえがさっさと脱ぎゃいいだけの話……」半ば小馬鹿にしたようにそう言い掛け、ちらりと白帝学園の粟津帝斗へと目をやった。――と、その時だ。帝斗の隣に見慣れない制服姿の男を見つけて、怪訝そうに片眉をしかめた。
「おい――ちょっと待っとけ」
氷川は紫月にそう言い残すと、一旦勝負を預けるようにして白帝学園の一団が固まっている方へと歩を向けた。そして、その中に混じっている一人の男の真正面へと立つ。側へ寄ってよくよく見れば、やはり白帝学園とは別の高校の生徒である。一見真面目そうだが、眼力のある結構な男前だ。これから対戦をしようとしている一之宮紫月とどこか似たような印象を受けるが、この男の方がほんの僅かに紫月よりも華奢といったところだろうか。
氷川はしばし怪訝そうにしながらも、ジロジロと彼を観察し、
「お前、白帝のヤツじゃねえな? こんなところで何してやがる」そう訊いた。
すると、すかさずそれに答えたのは白帝の会長である粟津帝斗の方だった。
「彼は僕の友人でね。楼蘭学園の三年生さ。ここへは僕が誘ったんだ。いい暇潰し――じゃなかった、社会勉強になるだろうと思ってさ」
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