1章 僕だけ置いてけぼりな件について

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ダメだダメだと思いながらも、無意識に扉を開けると、生徒会長がニコリと笑いながら、尋ねてきた。 「どうしたのかな?えーと?」 「鈴木正也って言います!鈴正って呼んでください!」 「じゃあ鈴正くん。用件を話してもらっていいかな?」 用件などない。僕は、何故ここに居るのかも分かっちゃいないのに、用件を話せとな?そんなもん知っていたら僕が聞きたいくらいだ。 「生徒会に立候補したいと思いここにきました!」 「おお!そうか!今人手不足でねー!それは嬉しいよ!」 口から出任せだ。僕が生徒会に対しての印象なんて、めんどくさそうなことをわざわざ。くらいの印象だ。そんなもんの為に時間を割くなんてイヤだァァ! 「歓迎して頂き光栄です!」 律儀にお辞儀を一つ 「生徒会に入るには、全校生徒の投票なんだよ。男女一人ずつが、生徒会入る事が出来る。この学校で演説のようなものは禁止。つまり今までの態度、これからの態度がモノを言う。人間性ってやつで測るんだ」 そんなもん決まって居る。いつだって僕は、ヒロイン探しと、居眠りに明け暮れた毎日だ。態度なんて、人様に誇れるようなものではない。 「そうですか!頑張って行きます!」 「あぁ。幸運を祈るよ」 その言葉を最後に「失礼しました」と生徒会室から飛び出し、息を乱れさせた。 はーはーはー。めっちゃ緊張した!なんでこんな緊張するの!?くそ緊張したよ!でも、真面目にしなければ、生徒会に入らなくていい!それで行こう!つまり今まで通りに! そう強い決意を決め拳を強く握り締めていると、声がした。 「どうだったの?」 「委員長!?」 ビクッと、身体がピン!となったが、そのまますぐに、猫背となり、答えた。 「多分ダメじゃないかな?って何が!?」 「決まってるじゃない。生徒会の話よ」 「どうしてそのことを?」 この女は何か、人の心の中を読み取る能力に長けているとか、そんなものなのか? 「私が行かしたんじゃない」 知らない知らない知らない。知らん間に生徒会室のドアをノックしていたんだ。ん?知らん間に?それまでの記憶がない? 「どう言うことかな?」 「察しが悪いわね」 「ごめんね」 「貴方に生徒会室に向かわせたのは私なの!」 「どうしてそんなことをしたの?」 「それは……ね?」 顔を赤らめながら、足をもじもじと恥ずかしそうに口を開く。 「貴方の事が好きだからよ!」
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