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ダメだダメだと思いながらも、無意識に扉を開けると、生徒会長がニコリと笑いながら、尋ねてきた。
「どうしたのかな?えーと?」
「鈴木正也って言います!鈴正って呼んでください!」
「じゃあ鈴正くん。用件を話してもらっていいかな?」
用件などない。僕は、何故ここに居るのかも分かっちゃいないのに、用件を話せとな?そんなもん知っていたら僕が聞きたいくらいだ。
「生徒会に立候補したいと思いここにきました!」
「おお!そうか!今人手不足でねー!それは嬉しいよ!」
口から出任せだ。僕が生徒会に対しての印象なんて、めんどくさそうなことをわざわざ。くらいの印象だ。そんなもんの為に時間を割くなんてイヤだァァ!
「歓迎して頂き光栄です!」
律儀にお辞儀を一つ
「生徒会に入るには、全校生徒の投票なんだよ。男女一人ずつが、生徒会入る事が出来る。この学校で演説のようなものは禁止。つまり今までの態度、これからの態度がモノを言う。人間性ってやつで測るんだ」
そんなもん決まって居る。いつだって僕は、ヒロイン探しと、居眠りに明け暮れた毎日だ。態度なんて、人様に誇れるようなものではない。
「そうですか!頑張って行きます!」
「あぁ。幸運を祈るよ」
その言葉を最後に「失礼しました」と生徒会室から飛び出し、息を乱れさせた。
はーはーはー。めっちゃ緊張した!なんでこんな緊張するの!?くそ緊張したよ!でも、真面目にしなければ、生徒会に入らなくていい!それで行こう!つまり今まで通りに!
そう強い決意を決め拳を強く握り締めていると、声がした。
「どうだったの?」
「委員長!?」
ビクッと、身体がピン!となったが、そのまますぐに、猫背となり、答えた。
「多分ダメじゃないかな?って何が!?」
「決まってるじゃない。生徒会の話よ」
「どうしてそのことを?」
この女は何か、人の心の中を読み取る能力に長けているとか、そんなものなのか?
「私が行かしたんじゃない」
知らない知らない知らない。知らん間に生徒会室のドアをノックしていたんだ。ん?知らん間に?それまでの記憶がない?
「どう言うことかな?」
「察しが悪いわね」
「ごめんね」
「貴方に生徒会室に向かわせたのは私なの!」
「どうしてそんなことをしたの?」
「それは……ね?」
顔を赤らめながら、足をもじもじと恥ずかしそうに口を開く。
「貴方の事が好きだからよ!」
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