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僕の中の時間が今一瞬にして止まった。彼女が放った言葉は、それほどまでに、僕には価値のある言葉だったんだ。ヒロインが居ない僕にしては、ヒロイン追加で、僕の事が好きときた。これは、僕の青春ラブコメ臭が漂う話だ。
「え」
「だから、その……ね?何度も言わせないでよ。恥ずかしいじゃない」
足をもじもじしながら恥ずかしそうにしている。かわいい。
「それはつまり、どういう?」
「貴方ともっと長い時間居たいから生徒会に立候補させたの!もう分かるでしょ?」
「経緯は分かったけど、なんで僕の意思を無視して僕は、生徒会室に向かってしまったんだ?」
「そんな事どうでもいいじゃない」
どうでもよくねえわ!一番気になるわ!
「それがなんなら一番気になるんだけど?」
「仕方ないわね。教えたら私に何をしてくれるの?」
「何もできない。だけどー」
「交渉決裂ね」
「分かった!何がしてほしい!」
咄嗟に僕の口が、口を開いた。決裂など言われたら僕の口が黙っちゃいない。
「そうねー?じゃあこういうのはどうかしら?」
嬉しそうな顔で言う。
「私と週末デートをしてほしいわ」
それは、あまりにも衝撃的な言葉だった。デート!それはモブの僕にしては、あまりにもの、ご褒美ではないか?
「デート?僕なんかでいいの?」
「貴方だからいいんじゃない」
お決まりのセリフだが、安定にこの言葉が嬉しい。口元が自然と緩んでいるのに、僕は気づいていない。それだけ幸せだったんだ。だがご存知の通りこの作品のタイトルはなんだったか思い出してもらいたい?もしこれで上手く行ったら、タイトル詐欺となってしまう。
本心では、上手く行きたいと思うが、形上は、告白されないようにと言っておこう。
「分かった。それなら僕にでもできる」
「決まりね」
「あぁ」
話はトントン拍子で進んで行き、気づけば、集合時間や、集合場所など、全てが決まっている。さすがクラス委員だ。話が早くて助かる。
「じゃあ、日曜の朝9時に駅前でね」
「そうだね。楽しみにしてるよ」
静かに僕の闘志が燃えたぎっている。
初デートの相手が、クラス委員なら仕方がない。うちのメインヒロイン候補にして、学内でも、7本の指に入る美女だ。緊張の一つや二つくらいしてもおかしくない。
僕は日曜を来るのを末長く待つ。
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