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愛する人と誓いを立てたのに。父の思い通りに動いている自分がいた。
「まだまだお前は、若いんだからこんなことで躓<ツマヅ>くな。」
「・・・」
返事などのどにつかえて出て来なかったし、返事など父が求めていたのかは判らなかった。
「じゃあ、迎えをやるから。」
「っ・・・」
部屋を出て行く父になにも言い返すことが出来ない。そんな自分が嫌だった。
「ごめん・・・折角っ、俺だけって言ってくれたのに。」
悔しくて不甲斐なくて彼女のとの誓いの言葉がこだまして涙が溢れる。
コンクール選考が3週間で終わってしまう。それまでに別れの準備をしなくてはならない。
「月依っ・・・」
わずかな希望は・・・飛び立った。
》 》
愛を知らずに蝕まれてきた私には、初めから上手くいくハズのない恋だったのだ。
誰かに邪魔されてよかったのだ。
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